支援制度が生まれた物語

スポンサーの紹介と後押しがなければ、メンタルトレーニングを始めていなかったし、今の自分はなかった

岩男健一プロ|登録者14万人のYouTubeチャンネル「わっほーまっちゃんの日常」


多くのゴルファーが、技術の強化はもちろんのこと、今ではフィジカルにも真剣に取り組んでいます。

一方で、メンタルについては、何もしていない選手がほとんどです。

岩男プロも、かつてはそうでした。

FGAには、ビジネスリーダーが若手プロのメンタルコーチング費用を負担する「ライジングゴルファー奨学金」という仕組みがあります。

なぜこの仕組みが必要なのか。

その答えが、岩男プロとFGAの関わりのストーリーの中にあります。

最初に変わったのは、選手ではなく支援者だった

2013年に、岩男プロをメンタルトレーニング石井塾(FGAの前身)に連れてきたのは、ある経営者・Y氏(40代)でした。

Y氏はもともと、自分自身のゴルフのメンタル課題を解決するために石井塾の門を叩いた一人です。

競技ゴルフに出始めた途端、スタートホールで毎回大叩き。5回出場して5回とも、最初の2ホールで8〜10オーバー。3番ホールからは普通にプレーできるのに、です。

集中プログラムで呼吸法を中心に取り組んだ結果、2〜3週間でスタートホールのミスが明らかに減りました。

3-4か月後のミッドアマでは1番ホールでナイスショット。かつてのトラウマから解放されたのを感じたといいます。

自分が変わったからこそ、Y氏は確信しました。「自分が費用を出すから、岩男も行ってこい」と。

関心がなかった選手が、変わるまで

当時26歳の岩男プロ(写真)は、21歳でプロテストに合格していたものの、その時点でJGTOの公式試合の出場は下部ツアー1試合のみ

プロとしては厳しいキャリアでした。

しかし、メンタルには、特に関心がありませんでした。イップスで悩んでいたわけでも、メンタルで大きな問題を感じていたわけでもない。Y氏の紹介と後押しがなければ、来ることはなかったと本人も言っています。

それでも、取り組み始めると変化は着実に起きました。

呼吸法の習慣化、試合における実践的なメンタル戦略の構築。セッションを重ねる中で、試合での戦い方が変わっていきました。

受講開始から1年後の北海道オープン。約160名が参加するなかで、アンダーパーは2人だけのタフなコンディションの中、1アンダーで準優勝。

この準優勝で日本オープンへの出場権を獲得。プロ7年目にして、初のレギュラーツアー公式戦が日本オープンでした

その年にはさらに、日本プロゴルフ選手権、ファイナルQTにも初進出しています。

連鎖は続く

岩男プロの変化を間近で見ていたのが、あるゴルフ場の研修生(20代・男性)でした。

「自分にもメンタルが必要だ」と感じた彼は、岩男プロに紹介を頼んで石井塾の門を叩きます。

最終プロテストまで9ヶ月。練習方法の見直しから始まり、呼吸法を取り入れたルーティンを徹底的に磨いた結果、2回目の最終テストで1打差ぎりぎりの合格。最終日のパットはほぼノーミス。すべてメンタルの成果でした。

一人の経営者が自分で成果を出し、若手プロを紹介し、そのプロが次の選手につないだ。これがFGAで起きていることです。

このストーリーが示すもの

才能がありながらも、メンタルという「見えない壁」に気づかないまま一人でもがき続ける選手がいる。

そして、外からの後押しがあれば動けた選手が、きっかけを得られないまま時間だけが過ぎていく。

Y氏と岩男プロの関係は、その「後押し」がいかに大きな意味を持つかを示しています。

そしてメンタルは、早く始めるほど効果が高い。不調やスランプが長引くほど、回復に時間がかかる—これを20年間で何度も見てきました。

「大事だとは分かっているけど、なかなか動けない」という選手に、外からの後押しで早めにメンタルトレーニングを始めてもらう。

この仕組みには、そういう意味も込められています。

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